大人の遠足「池兄」と巡る薬用植物観察会@多摩川編

植物案内人「池兄」こと、池村国弘さん(東京生薬協会・JAMHA理事)を講師にお招きして、夏の多摩川「薬用植物観察会」を開催しました。

3月の東京都薬用植物園に引き続き、第2弾は「多摩川」編です。‪ 

前日が大雨だったので、お天気が心配だったのですが、見事晴れました^^

二子玉川の高層マンションをバックにみんなで河川敷をてくてく。


まずは、クコ(枸杞)の新芽を発見。

栄養素を豊富に含む「くこの実」は、美容にも役立つスーパーフードとしても人気がありますが、多摩川の土手に普通にあるとは驚きです!

秋になると、果実が熟して赤いクコの実が見られるそう。


桑の木もあちらこちらに生えていました。

たわわに実った桑の実(マルベリー)!

ジャムにすると美味しいですよね^^ 
皆で食べ頃になった黒い実を口に含んでみました。



池兄の贅沢な解説付きで、更年期に活用されるレッドクローバー、西洋ヨモギと日本のヨモギの違いなどなど…

普段は、通り過ぎてしまう小さな植物にも立ち止まって、見分けるポイントなどを教えてもらいました。



河川敷を散策していると、なんと! セントジョンズワート(西洋オトギリソウ)を発見。

「セントジョンズワート」は、憂鬱な気分の時に飲む「サンシャインサプリメント」として有名なハーブです。

ちょうど6月がお花の最盛期。

まさか、多摩川で出会えるとは感激です。


黄色い花弁の縁に沿って、黒っぽい小さな点が並んでいます。

そこを指で揉んでみると、「ヒぺリシン」という赤い色素が出てくるはず。

池兄が実験中。

シャクチリソバの若葉も摘み取りました。

「シャクチリソバ」は、健康茶の原料と知られるダッタンソバの近縁種。

茹でてお浸しにすると、これが美味しいのです。

そして、マスタードの原料になる「セイヨウカラシナ」の種も採取しました。

茎にびっしりと房がついていて、この中に種が入っています。


夢中になって、カラシナの種を取っていたところ、気づくと1時間が経過。

3時間の多摩川散策はあっという間でした。

多摩川の土手で摘んだ「野生マスタード作り」に挑戦

早速、帰宅後は、シャクチリソバでお浸しを作ったところ美味しくて感動。
家族からも大好評でした。


そして、セイヨウカラシナの種で「マスタード作り」に挑戦。

カラシナの種をさやから取り出して、ゴミを取り除いて洗います。

この作業が結構大変…。種がとても小さいので、ゴミとの選別に時間がかかりました。

その後、ホワイトビネガー(米酢でもOK)、塩、砂糖に漬け込むこと3日間。


貴重な多摩川産の絶品「マスタード」が完成です!



この貴重な「多摩川産マスタード」を存分に味わいたい!
という事で、せっかくなので、庭のセージやローズマリーを刻んで入れて、ソーセージも手作りしてみました。

腸詰めをしないで作ったので、なんだか、つくねみたいな形になってしまいました…( ;∀;) 

一応、これでもソーセージです(笑) 
でも、味は◎でホッ。


多摩川の魅力を再発見

生徒さん達からも、多摩川で摘んだ野草を使った食レポが送られてきましたのでご紹介します^^

<桑の若葉を使った天ぷら>

本当に美味しくて、タラの芽の天ぷらよりも好きだったそうです。


葛の若芽の煮物とシャクチリソバのおひたし。



多摩川産マスタードを添えたローストビーフ。

レストランの味で感激だったそう^^



ご参加いただいたのは、『NARD アロマ・アドバイザー資格コース』のご受講生さんと卒業生さん達。

参加者の皆さまからは

「多摩川にこんなにたくさんの薬草があるなんて、驚きと共に感激でした。

皆さんと過ごした素敵な時間が心を豊かな気持ちにしてくれて、リフレッシュできて、本当に楽しかったです」

など嬉しいご感想をいただきました。
 

小さな頃から、花火大会やハイキングなどで何度も訪れていた多摩川。

今まで目に入らなかった植物を知ることができて、まるで初めて訪れたかのような新しい発見があって、新鮮な気持ちになりました。

季節によっても、植物は見せてくれる景色が違うので、今度は秋の多摩川を訪れてみたいです。

これからも、自然の中に飛び出して、植物の生きている姿を実際に見て、触れる機会を生徒さん達といっぱい作っていきたいと思います。

ご参加いただき、ありがとうございました。